【日中友好】対話と協議で冷静な判断を、あらゆる側面で共同の成長歩調があるのだから。

 昨日のブログでは、公明党山口代表訪中の真実と余話を取りまとめて掲載しました。きょうは、引き続き今月7日の山口代表の外国特派員協会での講演の要旨を掲載したいと思います。
  以下は、講演要旨です。
  
 今回、訪中の機会を得ようと思い始めたのは昨年の夏だ。前政権が、国として尖閣諸島の所有権を取得し、急速に(日中)関係が悪化していた。これは何とかしなければならないという思いだった。
 12月の衆院の解散・総選挙で政権が代わった。自民党と公明党で連立政権の合意を結ぶ時点で、自民党の安倍晋三総裁に「通常国会が始まる前に公明党として訪中したい」と申し上げたところ、「ぜひ行っていただきたい」という話があった。
 習近平総書記との会談では、日中双方に意見の違いがあったとしても、対話によって事態をいい方向に向けていくきっかけが作られたと認識している。ぜひ、これを機会に今後、対話を重ね、首脳会談の時期を模索し(実現へ)努力したい。
 昨年は、日中国交正常化40周年、今年は日中平和友好条約締結35周年だ。2年続けて日中の重要な節目のチャンスを失敗させるわけにはいかない。条約締結日の8月12日を一つの目標にして、首脳会談が早期に実現できるよう、戦略的互恵関係の実質が深まるよう相互努力を重ねていきたい。さまざまな緊張関係が生じてくるが、これを和らげ、不測の事態を回避し、大局的な関係を進めていくことが、両国の政治指導者の大きな責務だ。
 東シナ海で日本の護衛艦に中国海軍の艦艇からレーダーが照射された。こうした問題についても冷静に対応し、中国側に自制を求め、今後、こういう事態が発生しないような仕組みを作っていく努力が必要だ。この点については、日中がホットラインを作って対話を定期的に行い、現場での連絡も取り合える「海上メカニズム」を作ることで、当局間は合意に至っている。しかし、政治的な合意としてフィックス(決定)されていない。両国の合意にして不測の事態を避けるという、現実的な進展が必要だ。
 1月30日付人民日報には、習総書記が28日に行った「平和(的)発展の道」という講話の記事が載っている。従来の中国側の主張に沿った部分もあるが、今後の問題解決への新たな姿勢と思われる部分もあるように思う。こういう発信をしっかり受け止め、関係改善への道筋をつくり出していく必要もある。いずれにしても、国際的に(日中の)対話が進む雰囲気を醸成していく必要もあるし、不測の事態を回避する過去の取り組みを参考にしながら、日中間でそうしたものを重ねていく努力も引き続き必要だ。
 習総書記が会談で「日中関係40年間の発展を支えた原因は四つの政治文書にある」と述べられたことが印象に残っている。「四つの政治文書」の中心が日中平和友好条約だ。条約は日中のプラス面として“日中両国の互恵関係を発展させる”、マイナスを防ぐ面で“両国の問題をめぐって武力を使わない”“両国は覇権を求めない”が明記されている。
 日中のさまざまな関係者がこれまで、経済はもちろん、文化や学術、人々の往来などで道を切り開き、発展させてきた。また、日本は高度(経済)成長を経験し、さまざまな教訓を学んだ。今、中国は高度成長のさなかにある。そうした中で、環境保全や人口構造の変化に対応した社会福祉など、日中が協力する分野は非常にたくさんある。こうした共通の利益につながる分野をもっと深め、広げていかなければならない。
 習総書記の言葉でもう一つ印象に残っているのは「対話と協議によって問題をコントロールしていかなければならない」だ。国民の意識と多岐にわたる政府や政治部門の意思を統合して戦略的互恵関係の推進を図るのは簡単ではない。しかし、この事態は単に日中のみならず、アジア、国際社会に重要な影響がある。習総書記に「春一番」という言葉を紹介したが、冬を春に変えて関係改善を図っていかなければならない。
 以上です。文中の4つの政治文書とは、
 ①1972年「日中共同声明」 国交正常化
 ②1978年「日中平和友好条約」 すべての紛争解決に武力や威嚇に訴えないことの確認
 ③1998年「日中共同宣言」 両国首脳の相互訪問
 ④2008年「日中共同声明」 戦略的互恵関係推進
 きょうは、北朝鮮が三度目の核実験を行いました。アジアの安定と平和のためには、日中韓の緊密な関係維持が必要です。この日中韓がバラバラでは、北朝鮮の傍若無人な行動できる隙を与えかねません。国民の命と身体と財産を、互いの尊重尊敬の上で守れぬきたいと思います。