【円滑化法】景気回復の原動力は中小企業の存続と成長がカギ。金融機関の支援が肝要。

 昨日の国会質疑で公明党の高木美智代議員は、中小企業の資金繰り支援について政府の答弁を求めました。
 これは、「中小企業金融円滑化法」が今年3月で期限切れとなることから、現在、貸付条件変更対応されている借入金の金融機関取扱い、①現在緩和条件の継続 ②再建計画等に金融機関の丁寧な対応を求めるものです。
 
 2012年度補正予算案などで資金繰り支援策が拡充されるものの、円滑化法の利用事業者が30万~40万社で、このうち事業再生が必要な事業者が5万~6万社とする政府の大まかな実態把握では、余りに大雑把で「適切な政策を打つことはできない」とただしたもので、小規模事業者に関する正確な実態把握を踏まえた政策判断を求めた質疑です。
 その上で、円滑化法終了を念頭に政府が設立準備中の「地域経済活性化支援機構」などの再生支援体制が軌道に乗る期間を考慮し、「半年間延長の政治判断があってもよいのではないか」と主張しました。麻生太郎金融担当相は「(4月以降も)細かい所に目が届く対応をするよう金融機関に指導している」と述べたものです。
 円滑化法期限切れは、同法は時限性を持って適用される法であることから期限到来はやむやしと私は考えます。しかし、現在中小企業が置かれている環境を熟知した新しい政策を打つことが正しい対応だと考えます。
 金融機関の中には、「緩和した若しくは猶予した条件のままで本当に良いのか」と考える方もいるでしょう。そして、「現在の返済が継続するとすれば何十年もの返済期間になる。社長はそんなに長生きしますか」と問う銀行もあるでしょう。金融の基本は、期限の利益付与であり、付加価値追及であると考えます。そのうえで、無制限な期限や無秩序な利益はありようがありません。この線引きこそが難しい裁量や方針だと思います。
 また、銀行の立場は、金融庁の金融検査の関係性や債務者区分による貸倒引当金を明確に整理すべくだと思います。当然、すでに相応の引き当て処理が済み、相応の自己資本比率を確保していることから、何ら問題がないのかもしれません。
 そこで、私が中小企業の資金繰り対応策として考えることは、
 ①銀行が企業の事業再建計画への責任ある関与を求める。
 ②債権を一本化できる新しい制度融資を作る。
 ③プロパー融資と協会保証融資が併存する場合は、返済割合協会劣後を大きく認める。
 ④第3者保証の実態を精査し、事業関係者以外の保証を解除する。
 ⑤担保物件処分後の信用部分に対する債務請求のあり方の検討。
 つまりは、中小企業と金融機関の関係強化による危機克服の道を開きたいと思います。企業における縮小均衡にならないことが今後の雇用と成長の一歩となるのではないでしょうか。金融機関は中小企業を育成するとともに企業淘汰の中で生き抜いている現在の企業の維持にも務めるべきだと考えます。