【立木早絵さん】好奇心、感謝の心、ハンティは個性。一歩一歩の厳しい登攀の後には幸福のご褒美がある。

 土浦市障害児(者)育成会の開催する講演会に出席して参りました。
 講演は、全盲ながらもNTV「24時間テレビ」で、津軽海峡横断リレーやトライアスロン、キリマンジャロ登頂に成功した立木早絵(タテキ サエ)さんのトーク&コンサート「さらなる一歩を踏みだそう」です。
 彼女のトークの第一印象は、「一言一言の言葉そのものの聴き取りやすさ」の素晴らしさです。二十歳とは思えない落ち着きさもさることながら彼女の生き方は、心からの感謝に満ち溢れているなと思わせました。それは、ハンディをそうでない人との壁にするのではなく、自身の個性と捉えて、この個性があるからこそ彼女自身が多くの方に出会うことができた、多くのチャレンジができたという感謝が本然的に持たれているように感じます。
 彼女は、「なぜ見ることができないのに旅に出るのか」と問われれば、「いつか必ず見えるようになる。その時またここを訪れたい」と話すそうです。両親は、なんでも経験させた総です。それも、例えば刃物の本当の怖さを教えるためには、最初から本物の包丁やナイフをもって料理を教えたのです。中途半端では1人で生きられない。誰よりも早く刃物の怖さと痛さを知ることだという哲学です。「危ないから無理」がなかったそうです。
 彼女の好奇心を満たすために、自転車も竹馬もなんでもお兄さんと同じです。それは、言われてやるのではなく、自分自身で学ぶべきだとの将来への愛情の発露でした。
 キリマンシャロ登頂は、5650mの朝日が「きれいで、力強くて、素晴らしい光を感じた。疲労困憊の体に勇気をもらった。ここから先は体がくたくたでも気持ちが登頂したいと勝っていた」と述べました。そして、5895mの登頂、「この地には動物も植物もなく、唯一人間の冒険心だけがある」と言われた通り、人生そのもののように、一歩一歩自分の足で登攀し苦しんだからこそ、時々の幸せとご褒美をもらえると語りました。
 彼女はなぜこんなに大変なことに挑戦するのか。それは「負けず嫌い」そして、なんでも「楽しそう」と思う心。やり切った時の達成感が大好きだからと言われました。
 彼女は、健常者と障害者の壁はないと思う人の国ごとのデータから、「ドイツは80%、アメリカは50%、日本は20%。日本には眼に見えるバリアフリーがあるけれども、心のバリアフリーに課題がある」と言われました。「障害者のハンディは個性です」そう彼女は宣言しました。
 今、立木早絵さんは音楽に挑戦しています。今日もオリジナル曲3曲を披露しました。自身の思いを込めた生き方と感謝の歌声でした。
 彼女の声は不思議です。きれいで、分かり易くて、素敵な音色です。実に美しいと感じました。
 彼女は、「いつか見えるようになる」と話します。それは不可能なことではないと思います。ips細胞による再生医療はそれを可能にするかもしれません。その時彼女の見るに日本や世界が醜いものであってはならないと思います。
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