【後継者・研修者】日本の農業の担い手は誰か?農業の未来に自己実現の夢を乗せる気概が必要。

 高齢だけれども今も現役の農家の方と懇談していると数々の農業の課題が浮かび上がってきます。
 なにしろ私自身が、土浦特産の日本一を自負する蓮根の栽培農家の長男として身につまされながらお聞きする内容です。
 まず、「後継者はいない」です。大きい農家程いないとの事。相応の収入があって東京の大学に行かせたばかりに帰ってこないはどこにでもあること。もう日本の若者は泥だらけになって働くことはないと達観しているようです。レンコンの場合は、規模の拡大が大きな命題です。後継者がいなくとも規模の拡大以外に売上げを伸ばす方法はないという事です。ある農家の主人は、「家には男はいないから、みんな嫁に出した」と本当は長男がいるにも関わらずそう話しているようです。どこかで納得する方法を考えるしかないのが現状です。
 次に「研修生は必須」です。中国から農業研修のために3年間の来日をする研修生に対する期待、いや依存が高まっています。彼らとの距離感を迷いながら探っています。研修の域を超えて、出稼ぎ労働的になっている現実を踏まえて、もっと的確な国の労働政策を明確にしないと事故が起き撒か。研修中の事故は広島県ののカキ養殖の現場で発生しました。茨城でも研修生が帰国する際に、賃金未払いの訴訟を起こすこともあります。畑主体の葉物農家と田が主体のレンコン農家では状況が違いますが、みな何らかの課題を抱えています。中国の研修生は、今パソコンを必要としているらしく互いの情報交換が蜜のようです。ここは大事な観点だと思います。ともに研修生の権利と研修の内実をもっと明確にすべきだと思います。
 また、「若者は疲れる・汚れる仕事はしない」とも言われます。今の壮年以上の年齢は、貧乏な暮らしとともに高度成長やバブルを知っています。今20歳の若者は、景気の良い時を知りません。この経済の実感が大きなギャップになっているようです。働けば良い暮らしができるは昔の話で、今はやりたい仕事がないから親か国に頼ろうになっているのかもしれません。
 労働に対する捉え方を完全しなければならないと考えます。そして、努力が報われる社会を作っていきたいと思います。