◆「たかが1票、されど1票」。改めてそう思った人は少なくないだろう。EU離脱を決めた英国国民投票の教訓である。離脱票を投じた人々を中心に「再投票」を求める声は高まる一方というが、もはや後の祭り。「されど1票」を投じる機会はあるまい
◆ただ、同情の余地は残る。国際政治アナリストの加瀬みきさんが現地から伝えるように、離脱派政治家たちがちらつかせた「矛盾だらけの約束のニンジン」に踊らされた面が多分にあるからだ(2日付本紙)。シングルイシューで争う国民投票、すなわち直接民主制に潜むポピュリズムの危うさがもろに出た格好である
◆この現象を遠い異国の出来事と片付けるわけにはいかない。直接制下の選挙さながら、争点を単一化して扇動するポピュリズム選挙はここ数年、この国でもたびたび見られたからだ。最たる例は2009年衆院選。野党が掲げた「政権交代」の掛け声に有権者はまんまと乗せられ、停滞の民主党政権時代を招いてしまった
◆そして今、民進党と看板替えしたこの党は、またも同じ手法で“二匹目の泥鰌”を狙う。政治理念も基本政策も異なる共産党との共闘だ
◆きょう、審判の日。懲りない政党にお灸をすえるべく、賢明なる「されど1票」を公明党に!
英国のEU離脱は、大きな驚きでした。
投票した英国人をして「この国民投票は、残留に決まっている。それでは、現政権に少しのお灸をすえるために離脱に投票しよう」との空気があったと聞きます。
もちろん「〇か、☓か」における判断材料に欠いたとも言われ、間違った決定だと言う方もおられるようです。
選挙の重みをあらためて感じながら、今必要な安定の政権運営に、ご支援賜りたいと思います。