2020年9月15日、茨城県議会一般質問が行われ、県議会公明党の八島功男議員が登壇しました。
八島議員は、ウィズコロナのキーワードは回復力や復元力を表わす「レジリエンス」であるとし、「レジリエンスのいばらきづくり」を標榜して、大井川知事、教育長、担当部長に4つの項目から質問しました。
この動画は、「いばらき自転車活用推進計画の現状と今後」について、県民生活環境部長に質問した内容です。
なお、撮影に際して、コロナ対策のために、壇上にアクリル板が設置されておることから、反射やピントのズレが起こっています。ご容赦下さい。
【八島功男議員の質問】
コロナ禍を突き抜けて茨城の復元力や弾力性を国内外に示す方途として、「サイクリング王国いばらき」を構築することを目指して、「いばらき自転車活用推進計画」の現状と今後について伺います。
本県では、「いばらき自転車活用推進計画」を策定して、「誰もが安全・快適に自転車を活用することができる地域社会の実現」を目指しており、自転車が観光や生活の移動手段、健康増進、環境負荷軽減、経済性など多様なポテンシャルを持ち、地域活性化の一翼を担うことを考えれば重要政策にあたると考えます。自転車都市と言われるデンマークのコペンハーゲンでは、「自転車利用はそれ自体が目的でなく、より住みやすい都市をつくるための高い優先権を与えられた政策手段である」と計画していることも頷けます。
本県の自転車活用推進計画でも、目標の第1に「サイクルツーリズムの推進による地域活性化」を掲げていることから、私が今まで提案してきた項目等を含めて進捗状況を確認します。
まずは、つくば霞ヶ浦りんりんロードにおいて、コースを満喫できる誘導案内などは如何でしょうか。サイクリストが今どこを走行し、目的地までどのくらいかが分かることが基本です。地名の表示は地名の告知であり観光事業です。春夏秋冬のビュースポット紹介はインスタグラムなどSNSを通して情報が拡散します。自転車は走行するものですが、どこで止めるのか、どこを見てもらうかがコース活用のカギだと考えます。せっかくのナショナルサイクルルート統一ロゴマークの掲示や周知も重要です。私は名所づくりと地元の愛着心を醸成するために細やかなネーミングライツを従前に提案して参りました。先日、JR東日本は、サイクルトレインとなるB・B・BASEを潮来駅、鹿島神宮駅にも停車させると発表したことをうれしく思います。
また、本県の自転車活用が、多様性があり、老若男女、障害の有無に関わらず楽しめるものであると考え、タンデム自転車をカップルだけでなく、視覚障がい者の乗車も、きめ細やかに推進すべきだと思います。ベロタクシーの活用にもアイディアを出したいと思います。
先般、県は「サイクリストにやさしい宿」の募集を実施しました。応募した土浦のホテル経営者からは、「おもてなしをしっかりして、リピーターになってもらうよう努力する。インバウドの来訪も期待します」と話されました。土浦駅ビル「アトレ」に進出した「星野リゾートBEB5土浦」を先進事例として,つくば霞ヶ浦りんりんロード沿線に宿泊施設が明確になることは有意義だと思います。今後の展開を期待したいと思います。
ついては、本県に自転車を愛好し茨城を体感できる自転車活用文化を構築し、地域経済のレジリエンスとして重要な「いばらき自転車活用推進計画」の現状と今後について県民生活環境部長のご所見を伺います。
【県民生活環境部長の答弁】
いばらき自転車活用推進計画の現状と今後についてお答えいたします。
「いばらき自転車活用推進計画」は、自転車活用推進法の施行を踏まえ、本県においても自転車の活用を総合的、計画的に推進していくため、平成31年3月に策定いたしました。
この計画では、4つの施策目標を掲げ、県だけでなく、市町村や民間など多様な主体が適切な役割分担のもと、それぞれが取組を進めているところでございます。
4つのうち、第1の目標である「サイクルツーリズムの推進による地域の活性化」につきましては、これまで「つくば霞ヶ浦りんりんロード」において、全国初の駅直結サイクリング拠点施設「りんりんスクエア土浦」の整備や、手ぶらで気軽に利用できる乗り捨て型の広域レンタサイクルシステムの導入、さらにポータルサイトの立ち上げやサイクリングマップの多言語化などを実施してまいりました。
また、県だけでなく、地元市町村や企業・団体など官民が一体となって、沿線地域の情報発信や誘客の取組を進めていくため、「つくば霞ヶ浦りんりんロード利活用推進協議会」を設立いたしました。
これらの取組が評価され、昨年11月には、国から「しまなみ海道サイクリングロード」、琵琶湖を1周する「ビワイチ」とともに、ナショナルサイクルルートの指定を受けたところであり、「自転車活用推進計画」の大きな成果であったと考えております。
今後は、サイクリストがより快適に楽しく走れるよう、ルート統一のロゴマークに目的地までの距離表示を加えた案内看板の設置や、自転車を停めて風景が撮影できるビューポイントの整備を進めてまいります。
また、本年7月から公式ツイッターとインスタグラムを始めたところであり、これらのSNSを活用して、インスタ映えする見どころのPRやグルメ情報などを積極的に発信してまいります。
さらに、「サイクリストにやさしい宿」として認定した宿泊施設を一層PRするため、施設ごとの詳細な受入環境やサイクリスト向けのサービスなどを掲載した専用のポータルサイトを立ち上げてまいります。
加えて、これらの宿泊施設を活用して、メディアや旅行会社等を対象としたモニターツアーを実施し、ツアー商品の造成を促進してまいります。
これらの取組により、サイクリングの利用者数と消費拡大を図るとともに、三密を避けた安心・安全なレジャーとして本県のサイクルツーリズムを一層推進し、新型コロナウイルスの影響により大きく被害を受けた県内観光地の活力を取り戻してまいりたいと考えております。
以上、サイクルツーリズムの推進についてお答えしましたが、県といたしましては、今後とも、「いばらき自転車活用推進計画」を鋭意推進し、誰もが安全・快適に自転車を活用できる地域社会の実現を目指して取り組んでまいります。