コロナ禍の第7波は、すさまじい感染拡大をみせ、発熱外来などの検査体制や診療体制をひっ迫させました。新型コロナウイルスは、次から次へと想定外の変異を見せ、人類の生存に挑んで参ります。私たちは、ウイルスとの「共生」という新しい常態、ニューノーマルに向けての取組を強化していかなくてはなりません。
さて、わが公明党は、本年9月13日に、公明党の前身である公明党政治連盟の第1回全国大会で、党創立者池田大作創価学会名誉会長が示された「大衆とともに」との指針発表から60年の節目を迎えます。2年後の公明党結党に際しては、党綱領に、立党精神として「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」が明記されました。この立党精神は、「庶民の声を代弁する政党、政治家として、大衆直結の政治を貫く」との信念であります。私たち公明党議員は、「生活現場での小さな声を聴く力」、「ネットワークを生かした政策実現力」をいかんなく発揮して参ります。
社会を一変させた新型コロナウイルスの感染拡大や、国際秩序の根幹を揺るがすロシアのウクライナ侵略、さらに生活者を苦しめる物価高騰といった内外の難局が押し寄せています。
だからこそ、私たちは、茨城県民の衆望を担い、県民のための政策実現で、眼前の難局を乗り切っていかなくてはなりません。
知事、そして教育長にあっては、県政運営の操舵を固く握りしめ、過たない航海ができますよう県民の衆望に応えるご答弁を期待するものです。
現下の難局を乗り切る県政運営について
はじめに、地方創生臨時交付金等を活用した「コロナ禍における原油価格・物価高騰等対策」として、本定例会に提案された補正予算から、現下の難局を乗り切る県政運営について伺います。
総務省が発表した7月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除いた総合指数が、前年同月比2.4%上昇し、11月連続の上昇となりました。中でも上昇率が高かったのは食品とエネルギーで、食用油で40.3%、食パンが12.6%、電気代19.6%、ガス代18.8%などであり、生活必需品の値上げが家計を直撃しました。円安や資源、穀物価格の高騰から、企業は、価格転嫁を余儀なくされ、末端価格の値上げが相次ぎます。同時に、物価の伸びに賃金が追い付かないことから、買い控えによる消費低迷という悪循環の恐れがあります。
さて、県議会公明党は、国のコロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」の創設を受け、県民の声を速やかに聞き取り、大井川知事宛に7項目の「県民生活を守る緊急要望」を手交して、「生活者」や「事業者」の負担軽減について支援を要望して参りました。
まずは「生活者支援」です。ひとり親家庭をはじめとした低所得の子育て世帯や生活困窮者への給付金支給は、家計費支出を補填するに必要不可欠です。本補正予算にある「低所得の子育て世帯生活応援特別給付金事業」は県民の要望に応える事業です。是非ともできうる限り早期の給付を要望します。
また、学校給食は、子どもたちの食生活を守るためにも大きな意義があることから、給食の質や量を落とすことのないように食材高騰分に対する支援が重要です。
次に「事業者支援」です。輸入に頼らざるを得ない飼料は、中国や南米が異常気象などから減産を余儀なくされ、同時に、生産国の穀物需要増加や生産コストの上昇、そして円安などにより価格高騰が止まりません。肥料もまた同様に高騰しており、リン酸肥料の高騰など農業経営への影響が看過できない状況です。これらの価格高騰は、農業者にとっても根本的な農業経営の改善を迫っていると考えます。今回の補正予算は、一過性の給付をせず、価格高騰の影響を受けない、より強い農業への構造改革を支援する事業と考えますがいかがでしょうか。
また、社会経済活動の活性化を企図する体験型観光促進事業は、「体験王国いばらき」と銘打つ本県観光の魅力を発信する事業として、来年、本県で開催されるデスティネーションキャンペーンにつなげていただきたいと考えます。
国は、今後とも予備費を活用するなどして物価高騰対策の予算配分をするものと考えられます。本県も、眼前の生活に困窮し呻吟する県民への生活支援や、倒産等の危機に苦闘する事業者への支援について、的確な事業組成に知恵を絞っていただきたいと思います。
そこで、今回の補正予算の執行に当たり、現下の難局を乗り切り、県民の生活を守るための県政運営にどう取り組むのか、知事に伺います。