茨城空港の着陸制限を撤廃/便数拡大に道筋

10月26日茨城県は、茨城空港の民間機の増便に向け、原則として「1時間に1着陸」としてきた運航ルールの弾力化を正式に決定したと発表しました。早速10月29日から運用を始めます。今年度中に有識者を交えた検討会を立ち上げ、弾力化したルールの有効な活用方法や空港設備の整備の必要性について議論する方針です。
国内外の航空会社や旅行会社にPRし、定期便やチャーター便の発着拡大を目指します。

10月24日、茨城県と航空自衛隊百里基地、国土交通省百里基地空港事務所が会合を開き、民間機の1時間当たりの着陸便数の増加について、空港の運用に支障がない範囲で弾力的に受け入れることを確認しました。
企業や富裕層が商用目的で使うビジネスジェットについても、駐機場の空き具合や地上作業の状況などを確認し、三者で協議した上で、支障がない限り受け入れを解禁することになりました。

9月27日、茨城県の大井川和彦知事と地元の額賀福志郎衆議院議員(衆議院議長)は、国交省を訪問。茨城空港の従前の着陸ルールについて、柔軟な運用などを求める要望書を提出しました。これに対し、斉藤鉄夫国交相は「県と連携して実現へ対応したい」と述べ、着陸枠の弾力化へ前向きな回答を示していました。

茨城空港の開港以前、県と国交省、防衛省の三者は百里基地と「民間機の1時間当たりの着陸便数は当面1便を基本とする」と定めた民間共用に関する合意書を交わしました。その上で、茨城空港は2010年3月、百里基地との共用空港として開港した経緯があります。しかし、後続便の着陸に60分以上の時間が必要なことから、乗り入れる航空会社の運航計画に無駄が多く、増便拡大に影響がありました。
これを踏まえ、基本便数については「変更の必要が生じた場合、両省間で再検討する」と申し合わせがあったことから、県は国に弾力化を求めていました。